近年、太陽光発電(ソーラー)が叫ばれています。月々の電気代が安くなりますし、また、余った電気を売電することも出来、家計の負担が軽減されます。将来の省エネ時代を迎え、政府や各自治体の補助金も後押しし、今後、益々需要が増えていくものだと思います。
ただ、設置するに当って、いくつかの注意が必要です。
- ソーラーの耐用年数がどの程度なのか?
- 長い目で見て、コストが軽減されるのかどうか?
- 新築の場合は別として、現在の屋根の上に設置するための条件とは?
などです。
メーカーは、 30 年とか言っていますが、まだ、世に出て間もないことですから、本当にそれだけ耐用するかどうかはわかりません。その間の故障費用やメンテナンス費用がどの程度かかるのか、売電価格にも変動があるわけですから、将来のことは推測でしかわかりません。
それとは別に、われわれ瓦屋から見た場合、問題になることは、設置した場合の雨漏りについて、そしてもうひとつは、現在の屋根材の上に設置した場合、屋根材の耐用年数とソーラーの耐用年数との関係です。
今でも、ソーラー設置後の雨漏りの苦情が多く寄せられていると新聞にも出ています。ズサンな業者による設置の結果です。瓦の知識を持たない業者が設置した場合に、よく起こりえることです。
もうひとつの、現在の屋根材との関係ですが、これは、現在、葺かれている屋根材がこの先何年ぐらい耐用するかです。仮にソーラーが 20 年耐用しても現在の屋根材が、 10 年後には葺き替えなければならないとなれば、どうしますか?葺き替えとなるとソーラーも一旦除去しなくてはなりません。そうすると、結構な費用負担を覚悟しなくてはなりません。
特にスレート(カラーベスト)系やセメント系の屋根材は寿命が短い為、注意が必要です。ソーラー設置者が親切で瓦の知識を備えた業者であれば、そういった情報を提供してくれるでしょうが、そうでない業者であれば、そんなことはお構いなしです。ソーラーさえ設置し、代金回収できればよいのですから。
ソーラーの設置には、補助金があるからといって安易な購買は避け、先ずは専門家に相談すべきです。