屋根は夏の高温と冬の寒気の影響を最も受けやすい部分です。
昔の家は、瓦葺きの場合、できるだけたくさんの土を入れていました。建物自体も太い梁や柱が使われていましたから、それだけの重量にも耐えうるものでした。
蔵の建物の中は、ひんやりとしていますが、それは、建物自体が土に覆われているからです。瓦の下には相当な量の土が入れてありますし、壁にも分厚く土がこめられ外部は漆喰で仕上げられています。
土の中の温度変化は 1 年を通して変動が小さいのと同じように、蔵の中も同じようなことが言えます。ですから、夏は涼しく、冬は暖かく感じるわけです。
瓦は土を練り上げて焼き上げたものですから、そういった役割を果たします。
化粧スレートやセメント系の屋根材では、その働きは出来ません。室内の温度が低く保たれれば、クーラーの電気代だって節約できますし、省エネ効果が高まります。