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流行品を追わず、長期経済性を考えられよ

皆さんは、屋根瓦に対しての予算は、どのようにお考えでしょう?

もちろん、安いに越したことはありません。その為、日本瓦ではなく、化粧スレート系の屋根材やセメント系の屋根材を選択されるケースも少なくありません。
目安としては、化粧スレート系やセメント系の屋根材は、日本瓦(焼き物)に比べて半分程度の価格だと考えていただいて結構です。日本瓦が 100 万円だとすれば、化粧スレート系は 50 万円です。

但し、それは、初期の金額です。

今の日本瓦の耐久性は、数十年( 50 ~ 70 年)はあります。それに対して、化粧スレートは、大体、 15 年程で塗装が必要となります。必要な工事費は足場の設置費が20~30万円、塗装費が30万円~40万円かかりますから合計で50~70万円程度は必要となります。
塗装後の耐用年数はおおよそ10年程度と言われています。その時点で25年程度経過していますから、化粧スレート自体の劣化も進んでいるため、再度の塗装は出来ませんし、新しい屋根材に葺き替えをしなくてはなりません。その時に必要な工事費用は、足場代が20~30万円、既存の化粧スレートの撤去と、その廃棄処分費が30~40万円、新しい化粧スレート工事費が50~60万円程度で、概算100~120 万円程度を要します。となると、約25年で200万円前後要し、この時点で日本瓦の2倍以上の負担をすることになります。(※物価上昇分を見込んでいないため実際は、更に高くなる可能性があります)

日本瓦であれば、このような追加工事は不要で、時々、瓦専門店に点検をしてもらえばよいことです。多少のメンテナンス費用が要したとしても、50~70年は多額の費用負担無しに済みます。いわゆる「一生もの」です。

屋根材の軽量化の流れの中で、近年スレート系の屋根材メーカーが新製品を次々に出しています。
日本瓦が国内で 1400 年の歴史があるのに対して、このような新しい屋根材は、いわゆる流行品です。コマーシャルや広告によって宣伝をし、注目を惹くために、様々なメリットを掲げています。
こういった商品は、広告費が膨大なものですから、さほど安くはありません。そして最も注意しなくてはいけないのは、流行品の最大のデメリットは、注目されなくなったら製造を止めてしまうということです。新製品の発売から5~15年程しか経過していないのに廃番になる商品などいくらでもあります。20年後に、1枚割れたから差し替えてほしいという依頼があっても、もはや同じ瓦は無いということにならないとも限りません。

大手メーカーの流行品に対しての製造方針というのは、こういうものですし、大手が日本瓦に進出しないのは、規模の経済を求めることができないからです。

その点、恒常品である日本瓦はそのようなことはありません。日本の気候風土に順応してきたからこそ、 1400 年もの歳月の間、継続的に採用され続けているのです。

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