日本の家の寿命は欧米と比較して半分以下といわれています。特に、近年の「家」は、 30~40 年程度で解体している建物も少なくありませんし、まるで消耗品のように捉えられている風潮があります。これは、木造住宅などにおいては、20年程度経過すると、資産価値がほとんど無くなってしまうという、制度上の問題もありますし、欧米のように改修することで建物の価値が高まるという風潮がないため、このような状況に至っているのです。
今後は、人口減少や高齢化などの進行によって、住宅事情も変わってきます。特に空家が大きな問題になってきますので、そういう意味においては、中古住宅の活用などがテーマになってくるでしょう。
建物を長く、快適に維持していく。そして、家族環境の変化に応じて、住みやすい住空間に改修していくことが我々建築に携わっている者の使命だと考えております。
そのためには、しっかりとした工事を行うという基本的な施工を心がけることが大変重要です。世間では、「当たり前のことじゃないか」と言われるかもしれませんが、この当たり前のことができていないことが、工事には案外少なからずあるのです。なぜなら、施工は人間がやるからです。自動車や電機などの製造は機械やロボットが組み立てますので、同じものが均一に製造できますし、狂いは生じません。しかし、施工は機械ではできませんし、人間が行うことです。そのため施工する人間の技量や技術レベルによって違いが生じます。新築当初は、不備を感じなかったけれど、2~3年経過すると、襖に隙間が出てきたり、雨漏りが生じたり、床を歩くと音が鳴りだしたり、といったことが発生する場合があります。
もし、不備や不具合が生じたとすれば、それは修繕しなくてはなりません。そのためには、初期工事後のアフターケアが必要なのです。よって、最初の工事をすれば終わりというわけにはいかないのです。
工事を担当する業者が、どのような会社なのか?、信頼できる施工者なのか?、技術力は高いのか?、工事後もしっかりと対応してくれるのか、など、細かいところまでは分からずとも、最低限、抑えておかなければいけないことを見極め、工事業者の選定をしなくてはいけないと思います。
このようなことを、考慮すると、訪問販売業者には注意が必要です。通常、訪問販売業者は顧客に成約を急がせ、受注後は早く工事を済ませ、代金回収してしまいます。すぐに不備は出なくても、1~2年後に問題が生じるケースが時々見受けられますし、しかし、その時に施工業者に連絡しても、電話が通じないことがあります。いわゆる、これが悪徳商法の手口です。彼らは、場所を変え、同じ手口で悪行を続けています。
そのため、「施工したのに、すぐに雨漏りがしている」などと言った相談を当社もよく持ちかけられます。
地元で長年営んでいる工務店や100年以上続いている当社等は、このようなズサンな工事をするわけにはいきません。
上記しましたように、工事は、人間の技術に頼るところが大きいので、しっかりと施工したつもりでも、工事後に不備が生じることがあります。大事なのは、そういった不備が発生した時に、どのように対応するかということです。
我々にとっては、工事後もそういった不具合に丁寧に対応していくことこそが、商売を長年継続させていただいている生命線です。だから、アフターケアは当たり前のことだと考えています。
現代では、住宅に対して新築の場合で、 10 年の「瑕疵担保責任」が法制化されていますが、この保証内容も様々な条件が含まれており、鵜呑みにするのもどうかと思いますし、10年後に、その業者が存在しているかどうかも分かりません。先のことは誰にも分かりませんが、それなら、少なくとも、今、実施している工事が正しく行われているかどうか、又は正しく行う業者かどうかなど、結局は、その業者が信頼できるかどうかということになります。
瓦業界では、いぶし瓦や陶器瓦などの焼き物の瓦に関しては、「凍害」(冬場に瓦が割れること)に対して 10 年のメーカー保障が成されていますが、スレート系の屋根材に関しては、10年保証の無い有名メーカーもありますので、注意が必要です。
我社では、上記のような10年のメーカー保証とは別に独自にアフターサービスを実施しております。特に、焼き物の屋根材の葺き替えの場合は20年保証を行っておりますし、雨漏りに対する保証は当然ながら、10年という期間に拘らず、付加的なアフターサービスをさせて頂いております。また、損害保険にも加入しておりますので、様々なトラブルに対処できる体制は、整えております。
せっかく工事させていただいた屋根ですから、いつまでもお付き合いさせて頂きたいと考えていますし、瓦工事後の「安心」も私どもの売り物です。