商品を購買する場合、何を優先して検討されるでしょうか?
品質、ブランド、デザイン、知り合い、近所だから、販売員の人柄、サービス、店の信用や歴史、老舗だから、ネットから、価格 等々、様々な要素があります。大概の商品はネットの普及により、購買するための様々な情報を得ることができます。その為、店舗へ出向いて購買することだけでなく、ネットから購買することが非常に増え、近年のコロナ渦では、特に外出せずに購買する傾向が強くなっています。
例えば、電化製品などに関して言えば、ネットにより最も安い価格が即座に情報として得られますし、画像も鮮明になってきましたから、家にいながら何でも手に入れることができる時代です。
しかしながら、相手が見えませんし、購買前の支払いやクレジット情報などの提示などもありますから、近年のネット詐欺などから、不安を感じる方もおられ、特にネットに不慣れな年配の方には一概に信用できないといったことがあるのではないでしょうか。
消費者の多くの方の購買での優先順位の第一は価格だと思われます。同じものなら1円でも安いに越したことはありませんし、価格が安ければ、どこから買ってもよいと考える消費者が多いわけですから、ネット販売の成長は著しいものがあります。
先程の電化製品について、同じブランドの同じ品番の製品なら、町の電気屋より、ネットでの店舗が安ければ、そちらで購買ということになりますね。近年は、ネットの格安情報を店舗に伝えれば、同じ値段に合わしてくれる店舗もあるようですが、それほどネットの影響力は大きなものとなり、今や無くてはならない存在になって来ています。
我が建築業界でも、建築価格などのネット情報により、様々な価格情報が拡散しています。多くの人が、それを参考にしていることでしょう。斬新なホームページを掲載している業者や美辞麗句な説明や低価格を売り物にしている内容に飛びついてしまう消費者もおられるのではないでしょうか?
先述しました、電化製品なら、それでもよいでしょう。同じブランドの同じ品番の製品なのですから。
しかし、建築という仕事は、材料や部材は同じでも、それ以外に大事な要素があります。それは「施工」です。工事という人間が施工するという作業が伴います。いわゆる職人が行う仕事です。それは、病気を治したり手術する医者と同じです。医者でもヤブ医者が存在しますし、工事職人でも上手な人もいれば下手な人もいます。そして、その違いが大変大きな要素なのです。機械が製造する電化製品なら、品質が均一で全く同じものが製品化されますし、どこから購買しても、違いありませんが、職人(施工)の違いは、後々のアフターフォローのことを考えれば、大事なことです。手術をしてもらうなら、この病院のこの医者だという話はよく聞きますが、手術費用が安いから、この病院を選択したという話は聞いたことがありませんね。建築と医療が同じだとは言いませんが、人間がすることに変わりありません。そして、人間がする以上、上手下手は必ずあります。また、施工価格が高いからと言って、上手な施工とも限りません。世の中には高額で悪質な言葉巧みな業者も少なからず存在していますので、その見極めが大事です。
そのようなことを考えれば、建築を価格優先で捉えるのは考えものです。価格が重要でないとは言いませんし、予算もあられるでしょうから、それらを大きく上回るような工事を選択することはありませんが、以上のようなことを今一度検討されることが望ましいと考えています。